米国においてIHEの活動が開始され、すでに20年近くが経過しました。一般社団法人日本IHE協会 ( 以下、IHE協会 ) は、2001年からIHE-Jとして活動を開始し、医療情報システムにおける相互接続性と相互運用性の確保を推進してきました。
IHEの活動における特徴として、ユーザとベンダが同じテーブルにつき、より良い医療情報システムを生み出すために、考え方や環境や背景などが異なる者が、お互いを尊重しつつ垣根を越えて議論する場が提供されていることがあげられます。
今回のチュートリアルでは、最近注目され、急速に普及しつつあるFHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)を取り上げます。FHIRはHL7協会が開発し、医療情報のフォーマットとWEB技術を取り入れて転送プロトコルを定義しています。このFHIRに対応し、IHEでは多くのFHIRを用いた統合プロファイルが作成されています。今までIHEの統合プロファイル(業務シナリオ)では、HL7 Version2、Version3が 長くデータフォーマットとして用いられてきました。FHIRの普及に伴い、データフォーマットと転送プロトコルにHL7 FHIRを用いた統合プロファイルが開発され、既存の医療情報システムにアドオンする形でFHIR対応となっています。
チュートリアルは、IHEから見たFHIRというテーマで、FHIRとIHEの立場の違い、FHIRを使用する統合プロファイル、FHIRに関連するコネクタソン(接続試験)、FHIRを実装する場合のなどのテーマで講演を行います。FHIRとIHEを理解していただくと共に、多くの方々と同じテーブルを囲み<共通利用性のある未来の医療情報システム>を創造する機会にしたいと考えています。