米国においてIHEの活動が開始され、すでに25年以上が経過しました。一般社団法人日本IHE協会(以下、IHE協会)は、2001年からIHE-Jとして活動を開始し、医療情報システムにおける相互接続性と相互運用性の確保を推進してきました。
今回のチュートリアルでは、最近注目され、急速に普及しつつあるFHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)を取り上げます。FHIRはHL7協会が開発し、医療情報のフォーマットとWEB技術を取り入れて転送プロトコルを定義しています。このFHIRに対応し、IHEでは多くのFHIRを用いた統合プロファイル(PDQm, PIXm, SVCM、MHD, PCF、QEDmなど)が作成されています。今までIHEの統合プロファイル(業務シナリオ)では、HL7 Version2、Version3が 長くデータフォーマットとして用いられてきましたが、FHIRの普及に伴い、データフォーマットと転送プロトコルにHL7 FHIRを用いた統合プロファイルが開発され、既存の医療情報システムにアドオンする形でFHIR対応となっています。
本チュートリアルは、「情報をつなぐ~FHIRの利活用~」というテーマで、FHIRとIHEの立場の違い、FHIRを使用する統合プロファイル、FHIRに関連する日本IHE協会の活動、実装事例などのテーマで講演を行います。IHEとFHIRを理解していただくと共に、多くの方々と同じテーブルを囲み、共通利用性のある医療情報システムを創造する機会にしたいと考えています。